三角関数は絶対必要な知識なのかどうか。橋下徹氏の発言に対し、「三角関数絶対必要派」がネット上で猛然と批判を浴びせかけた。国民大多数の現況を顧みず、狭い自分周辺の感覚だけで物事を判断する人々はどこが危険なのか。天皇譲位が迫る中、橋下氏が本質的な問題を指摘する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(1月8日配信)から抜粋記事をお届けします――。

他のメディアには出さなかったコメントをここに書きます!

明けましておめでとうございます。今年も、このメルマガで、ちょっとひねくれた僕の視点から社会を論じていきます。単なる社会・政治評論にならないように、社会や政治を論じながらも、課題を見つけ出してその解決方法を探っていく《問題解決の授業》を展開していきます。よろしくお願いします!

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Tom-Kichi)

さて、いよいよ本年5月1日には新天皇が即位される。

今上天皇の譲位にあたって、色々なメディアからコメントや寄稿を求められたけど、全て断った。各メディアは内容が内容だけにという理由などで取材料や原稿料は0円と主張してくるけど、こちらも時間を取られるので0円というわけにはいかない。さりとて、このような内容で金額交渉するのもいやらしいので、それなら、僕はメルマガで自分の考えを述べればいいやと思い、今号から書きます。

(略)

三角関数は生きて行くために絶対に必要不可欠な知識じゃない

僕は大学生の頃は天皇制に反対だった。少し本を読みだした大学生にありがちな、青臭い頭でっかちな理屈を基にしてね。いわゆる大学という狭い世界に閉じこもったり、本を読んで知識を持っていることが立派だと勘違いしたりした者が、世の中を語るとおかしな方向に行ってしまう典型例。

そういうインテリ連中の多くは、国民のことを「大衆」などとバカにし、国民の感覚で政治を行うことを「ポピュリズム」と批判するけど、教育レベルがある程度高い国においては、自分たちは賢いと信じているインテリたちの感覚よりも、国民大多数の感覚の方が賢明なことが多い。

お正月にAbemaTV「NEWS BAR 橋下」のスペシャルで教育が話題になったときに、「三角関数なんて大人になってから使ったことがない。国民全員が絶対に学ぶべき義務教育と、さらに深く勉強する教育は分けて、後者は選択制にすればいい」旨、僕は発言し、その発言概要がネットで出回った。