運営費がかさむ地方の物件
運営費には、管理費や修繕費、清掃費用、固定資産税などに加え、エレベーターの保守管理費、電気代などのランニングコストが含まれます。区分所有のマンションなどでは管理費や修繕積立金、それに共用部分にかかる費用も入ってきます。そして営業純利益からローンの年間負債支払額を差し引けば、税引前キャッシュフローが算出できます。
ところで地方の投資物件の場合、物件価格が安く、表面利回りが高く見えるものがありますが、特に中古の1棟物件には注意が必要です。修繕費やランニングコストがすごくかかるケースがあるからです。
購入後すぐに給水ポンプやエレベーターなど高額な設備が壊れたら、それこそ悲惨です。都心部に比べ家賃が安い割に、それらの修繕費はほとんど変わりません。その結果、営業純利益が圧縮されて、真実の利回りも低い水準に押しとどめられます。
不動産投資は、転売をするときの“出口”で初めて利益が確定されます。自分が投資して取得した後、その物件が経年劣化でどのようになるのか。また、ライバルとなる周囲の物件がどれだけ増え、転売価格がどのくらい見積もれるのかなど、長い目で見る必要があります。
不動産投資の正しいやり方は、出口を迎えた段階で資産を組み替え、利益を確定する手法です。私は5年以内で勝負するのが基本だと考えています。実際にリタイア後に不動産投資で成功している人の多くは、物件の売買を繰り返しながら、資産の組み替えを絶えず行っているものなのです。
大村昌慶
ダイムラー・コーポレーション代表取締役
CPM(米国不動産経営管理士)、CCIM(米国認定不動産投資顧問)などの資格を保有。投資不動産を中心に事業を展開し、国内外での不動産・資産管理・資産運用の提案・相談に応じる。
ダイムラー・コーポレーション代表取締役
CPM(米国不動産経営管理士)、CCIM(米国認定不動産投資顧問)などの資格を保有。投資不動産を中心に事業を展開し、国内外での不動産・資産管理・資産運用の提案・相談に応じる。
(写真=iStock.com)