FPが長女に送った手紙「これなら90歳まで暮らせます」

長女の気分が落ち着いているときを見計らって、筆者が作成したライフプラン提案書(改善案)を長女に見てもらいました。その最後に、筆者はこんな内容を書きました。

<FPからのアドバイス>

現在の生活水準でお暮しになった場合、

・ご両親ともに健在……年134万円(車検なし)~146万円(車検あり)の赤字
・お父様が亡くなられた場合……年306万円(車検なし)~318万円(車検あり)の赤字
・ご両親ともに亡くなられた場合……年396万円(車検なし)~408万円(車検あり)の赤字

となります。1年後にお父様が、2年後にお母様が亡くなられると、3年後には預貯金がゼロになります。90歳まで安心してお暮らしになるためには、次に掲げる見直しを実行しましょう。

(1)食費・日用品などのネットで購入している生活費の予算を月6万円に(現在、月10.2万円)。お一人暮らしになられたときは月5万円以内にすることが重要です。
(2)ライブなどご趣味にかける予算は月4万円に(現在、宿泊費など込みで月24万円)。お一人暮らしになられたときは車を手放し、お小遣いは月1万円にしましょう。
(3)在あまりお使いになられていない固定電話とケーブルテレビを解約し、スマートフォンを格安スマホに切り替えましょう。⇒固定費を月2万円以下に抑えられます(現在、水道光熱費など込みで4万円)。

この3つを実行していただければ、1年後、2年後にご両親に万一のことがあったとしても、年間の収支は赤字30万円に抑えられます。90歳まで預貯金がなくなることはありません。

食費などの生活費に関しては、1回に注文する予算と注文のタイミングを決めておくと、やりくりしやすいです。たとえば、1回の注文を5000円以下(送料込)とするなら、「3日に1度、5000円以下の買い物をする」「予備費として1万円を別に予算をとっておき、お米などがなくなったら、そこから払う」と買い物ルール決めておくと、毎月の支出を6万円以下に抑えることができます。

ドライブに関しては、遠出をされるなら月に1回、日帰りでしたら月に2~3回は楽しめるといった感じでしょうか。ただ、ご両親がお二人とも亡くなられると、お二人の年金が入らなくなるため、ドライブの予算を捻出するのが難しくなります。お車を手放されるか、ご体調のよいときに短時間パートのお仕事を始めるなどの工夫が必要となります。

以上の見直しを実行すると、今より使えるお金は少なくなりますが、手持ちの資金は格段に増えていきます。まずは、固定電話とケーブルテレビを解約し、格安スマホに切り替える手続きを行いましょう。そして、「生活費6万円+趣味4万円」の10万円生活を心がけることで、将来の安心が得られます。チャレンジする価値は十分にあると思いますよ。