【3】役立つ情報検索編

「子どもの病気をスマホで調べますが、サイトがたくさんあってどの情報が正しいのかわかりません。」

【阿真】ネットの情報は玉石混交。可愛いデザインで平易な文章のサイトをつい読んでしまいますが、よく見ると個人的な経験を語っているだけで、医学的判断とかけ離れていることも少なくありません。

そこで信用したいのは、裏づけのあるデータ。たとえば感染症のことなら国立感染症研究所のサイト、子どもの病気全般なら国立成育医療研究センターのサイトなどです。学術的なデータも載っていますが、素人でも読みこめば内容が理解できます。病名を検索すると怪しい説がどんどん出てきて、正確な情報に行き着くまで時間がかかることもありますので、はじめから信頼できるサイトにいくのが最短コースです。

【森戸】監修者に医者がついているかはひとつの目安になりますが、妙な説を唱える人もいるので注意が必要。また情報はネットにだけ存在するわけではありません。母子手帳にも有意義な情報が記されているので、ぜひ参考にしてください。

もし調べた情報と医者の見解が違う場合は、納得できるまで医者と話をするべきです。情報と違うという理由だけでほかの医者に向かうと、次々医者を変えて問題の解決から遠ざかることも多いので。

「予防接種を調べたら、数が多くて大変そうです。任意のものは受けなくてもいいでしょうか?」

【森戸】予防接種には、BCGやMR(麻疹・風疹)、四種混合、ヒブ、肺炎球菌などの定期接種、それ以外の任意接種があります。重要性が高いもの=定期接種と思っていないでしょうか? そうではなく、国や自治体の予算確保が難しいワクチンが任意になっているだけです。日本では任意接種扱いのロタウイルス、おたふくかぜのワクチンはほとんどの先進国と多くの途上国で定期接種です。髄膜炎菌ワクチンが定期接種に入っている国もあります。つまり任意接種も重要なので、全部受けておきましょう。なお任意接種ワクチンには助成が出ている市区町村もあり、クリニックによって料金が異なります。

インフルエンザワクチンは、効く、効かないと説が分かれていましたが、近年の報告では効果があるという論文が続々と出ています。乳幼児と老人は重症化しやすいので、私は受けることをお勧めします。