「偏差値50前後の進学校」GMARCH合格者数“半減”
四谷大塚の模試で「80%偏差値」(※1)が50程度、また、「50%偏差値」(※2)が50弱の中堅校のうち、男子校の高輪、女子校の共立女子を例にあげてみよう。なお、偏差値が50であれば「合格圏」とされている。
※1 80%の可能性で合格できる偏差値 ※2 50%の可能性で合格できる偏差値
2校のGMARCHと早慶への大学合格者数の推移は以下の通りだ。
高輪 234→135
共立女子 311→207
高輪 104→41
共立女子 95→51
わずか2年間で大きく実績を落としている。高輪にいたっては、早慶104人から41人と激減。共立女子も95人から51人と半分近くになっている。
もちろん、同じ「偏差値50」の学校であっても上記2校とは異なり、大学実績を落としていない学校もある。ただ、それらの学校は複数回の入試を行い、第一志望の滑り止め校として受験されることも多く、実力のある生徒が入学することもある。よって、大学進学実績もそれほど悪くならないのだ。
実はこの2校も複数回受験を行っているが前述の学校とは異なり、複数回ともだいたい同程度の難易度となっている(通常は、2回目、3回目……のほうが、難易度が高くなることが多い)ので、「あと一歩で早慶」「GMARCHには合格できる」という子が、定員抑制で大きく影響を受けることになった。
「明治大学合格20名」でも、実際に合格したのは10名?
一般的に、各高校が毎年公開する合格者数は、のべ人数であることが多い。たとえば「明治大学に20名合格」といっても1人で複数の学部に合格したら重複カウントされていることがほとんどだ。実際は10名が2学部ずつ合格して20名合格かもしれない。ホームページ上などに掲載された数字と実際に合格した生徒数には乖離があり、数字は割り引いてみる必要がある。
しかし、中学のうちからその大学の附属校に入れば、かなり高い確率で入学が叶う。そのあたりが、附属校人気の核心と言えるだろう。
たとえば、明大中野であれば403人中332人、80%以上の生徒が推薦で明治大学に入学できる。しかも国公立大併願の場合、明治大学の推薦を保持してチャレンジでき、1名が東京外国語大学に入学した。また、推薦枠を活用せずに東京大学や一橋大学に合格した生徒もいる。
中央大附属も409人中346人、85%近くの生徒が推薦で中央大学に入学できる。他大学併願制度を活用して7名が東京工業大学や国際基督教大学など他大学にも進学している。
このように100%が推薦されるわけではない一方、実力と意思が伴えば国公立大も受験できる学校も多い。附属校だからといって必ずしも進路が固定されていないというのも、大学附属校人気の理由のひとつだ。