(1)計画(Plan)

まずはどのようにプロジェクトを進めていくか計画を立てる。通常はゴールを明確にしたり、期限を設定したりする。次にゴールと現在地のギャップを埋めるための方法(課題)を考える。飲食店の来店者数が少ないというケースでは、次のような課題が考えられるだろう。

●顧客の認知度が低いのでそれを上げる
●接客スタッフに不手際が多いのでそれを改善する
●看板メニューの魅力が低いのでそれを高める……

このときのポイントは、個々の課題についての批判は後回しにし、考えうる限り多くの課題を書き出すことだ。チームで取り組むときはメンバーから出てきた課題を付せん紙に書いてホワイトボードに貼っていくといい。

課題が出尽くしたら、それを3つに絞る。これ以上多いと実行するとき負担になるし、少ないと効果が上がらないからだ。実行することで大きなインパクトがあるものから順に選ぶとよいだろう。

(2)実行(Do)

さきほどの課題を解決するための具体策を考えていく。

「看板メニューの魅力を高める」→新しい看板メニューを開発する……

などの解決策が考えられるだろう。だがこのままではまだ抽象的すぎて実行しにくいので、これを「タスク化」する必要がある。タスク化とは、それぞれの解決策ごとに「手段(どうやるか)」と、「期日(いつまでにやるか)」を定めることをいう。新しい看板メニューの開発なら、「1週間で構想を練り、関係者を集めて試食会を開く」と決めることだ。

(3)検証(Check)

検証の結果、うまくいっていないとわかったら、なぜうまくいかないのか、納得できる理由が見つかるまで考える。単に「時間がかけられなかったから」で終わらせるのではなく、「なぜ時間がかけられなかったのか」→「やる気が起きなかったからだ」→「なぜやる気が起きなかったのか」→「本当は看板メニューを変えたくなかったからだ」というように、本当の理由と思われるものが見つかるまで掘り下げて考えていく。

(4)改善(Action)

ここは検証の結果を再び計画(Plan)にフィードバックしたり、新しい計画をつくり、別のPDCAを回し始めたりするフェーズである。できるだけ早く次のPにつなぐことが肝要だ。

「PDCAは恋愛などの人生の悩みの解決にも使えます。1度PDCAサイクルを回すと、その効果に驚くはずです」(冨田さん)