シリコンバレー流の仕事術を実践
メルカリを創業してから5年が経ちました。正直、ここまで会社が大きくなるとは思っていませんでした。もちろん大きくなることを目指していましたが、時代の波に乗ったり、スマホが普及するタイミングで参入できたりしたことがやはり大きかったと思っています。だからこそ、今の恵まれたポジションを活用して世界を目指して、多くのチャンスをつかんでいきたい。
なぜ海外にこだわるのかといえば、マーケットが大きいからです。インターネットオークションの市場規模も10倍くらい違う。可能性に投資をするのは、難易度は高いですが、成功したときのリターンが大きいという意味で、十分、勝負する価値があると思います。現在、日本、アメリカ、イギリスでサービスを提供していますが、世界中の国に進出し、最終的にはすべての国と国をまたいで使われるサービスにしていきたいですね。
現在の従業員数はグローバルで1000人強、うち外国人は20カ国以上から採用しています。メルカリでは日本人、外国人関係なく、実力主義です。18年10月には新卒でインド人のエンジニアが約30人入社予定です。日本ではコンピュータサイエンスの学生が非常に少ないのが現状です。将来的にエンジニアの社員を1000人以上にしたいのですが、日本人だけでは足りないので、半分くらいは外国人を採用しなければならないと考えています。
私たちはシリコンバレー流の仕事を実践しています。例えば、グーグルをはじめとしたグローバル企業が採用している目標管理手法OKR(=Objectives and Key Result〈目標と主な成果〉)を導入し、ストックオプションなど会社の構造自体も日本企業というより、グローバルスタンダードに近いものを採用しています。そうしなければ、グローバルでよい人材を採ることができないからです。
外国人エンジニアをどんどん採用すれば、コミュニケーションも自然と英語になります。もちろん日本人社員に対しては英語研修や通訳のサポートを行っていますが、社内での告知、ビジネスチャットの「Slack(スラック)」ほか、全社会議の資料は今ではもうすべて英語と日本語が併記されています。
これからメルカリのサービスは、テクノロジーで差別化を図っていく局面に来ています。その意味では今後、メルカリはテックカンパニー(テクノロジー企業)に転換していきたいと考えています。イメージとして目指しているのは、エンジニアの楽園とも言われるグーグルです。グーグルはエポックメーキングな会社であり、グーグルが登場する以前と以後では働き方も非常に変わったと思います。グーグルもフェイスブックも検索やSNSといった大きな市場で大きなビジネスをつくったからこそ、できたことだと思います。メルカリもCtoCという大きな市場で、マーケットプレイス的なビジネスを軸にこれから大きく成長していきたい。グーグルやフェイスブックのような会社になりたいと考えています。