通常のダイエットに伴うストレスやパワーダウンとも無縁です。「そんなこと、本当にできるのか?」とお思いでしょうか。答えは、できます。正しい方法さえ知れば、誰でもこうした結果を手に入れることができるのです。

「米を抜けばいい」ではなく、「糖をリセットする」

「糖質制限に挑戦して、甘いものをやめた」「米を抜いている」「肉をたくさん食べるようにしている」

西脇俊二『ハードワークでも疲れないカラダを作る! 糖質制限2.0』(KADOKAWA)

こういう方は、よくいます。残念ながら、これらはすべて「気休め」に過ぎません。もともとがよほど食べ過ぎの方以外、それではまったく痩せなくて「おかしいな」と感じているはずです。

それもそのはず、これらはどれも「糖質制限2.0」の基準に当てはめると「糖質制限」とはいえません。ただ、世間ではこうした方法が「糖質制限」と呼ばれることも多く、それらと区別する意味で私が「糖質制限2.0」というメソッドを確立したという経緯があります。

糖質制限2.0では、「糖を減らす」のではなく「一度、ほぼ完全に断つ」つまり「糖をリセットする」ことに重きを置いています。断糖期間中は、摂取する糖質量を5グラム以下に抑えます。

これに照らせば、上の方法がなぜマズいのか、おわかりですね。

いずれも、「甘いもの」や「米などの主食」を抜くだけで他の糖は取り放題になっていたり、「肉」を増やすついでに付け合わせの野菜やセットのライスから糖を摂取しているからです。とうてい5グラム以下の基準に達するはずもありません。

「とんかつの衣」にも炭水化物が含まれている

とんかつ屋で「とんかつ定食」を頼みお米を残すのも、ナンセンスです。とんかつの衣は小麦粉、小麦粉は炭水化物、つまり糖です。糖質制限では脂質を避けろとはいいませんが、誤った理解で揚げ物ばかり食べ、胃を痛めてしまった人もいます。

摂取した糖は体内で分解されて、ブドウ糖になります。人体はこれをエネルギーとして利用するわけですが、基礎代謝の低下した身体では、これを消費しきれません。余ったエネルギーは1日以内に中性脂肪に変換され、3日後には皮下脂肪や内臓脂肪になります。

さまざまな食べ物に含まれる「糖質」の存在を認識しなければ、意識せずにどんどん摂取してしまい、どんどん脂肪に変わっていくのです。