「安倍3選」ならば改憲。「石破首相」なら改憲は先送り

それは2人の改憲スケジュール観と関係する。安倍氏は3選後、自身の首相在任中に憲法改正を実現しようとしている。それを実現するために、9条改憲では「2項維持」という理解を得やすい内容にしている。そして、その改憲日程はリアリティーを持ち始めており、来年中に改憲の国民投票が行われるスケジュールも語られている。

一方、石破氏は、改憲はスケジュールありきではいけないという考え。自説を曲げずに「2項削除」を掲げ、機が熟した段階で改憲を目指すというスケジュール観だ。だから、もし総裁選で勝ったとしても「石破首相」の間に改憲を目指そうとは考えていない。

憲法改正の優先順位は決して高くなく、むしろ経済政策などを優先すべきだと考えている。このことは既報の石破氏インタビュー「やるべきは憲法改正ではなく、経済成長だ」を読んでいただければ明らかだ。

「安倍3選」ならば改憲。「石破首相」なら改憲は先送り。そういうことであればリベラルな勢力は、石破氏にシンパシーを抱いても不思議ではない。自説を曲げずにリベラル層の支持を得て「安倍批判票」バックにつけることができるのなら、石破氏にとっても好都合だ。という事情で、石破氏と朝日などのリベラルなメディアによる一見ねじれたタッグができあがるのだった。

(写真=時事通信フォト)
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