妻はカルチャーセンターの仕事に復帰し、「自分の老後のために」と働き始めた。また食費、生命保険料、生活日用品費、医療費、交際費、娯楽費と大半の項目を削減対象とし、コツコツと削った。息子は自活を始めているため、息子のために買っていた2万円分の食料品はなくなった。生命保険も、保障内容を見直し減額することに。

中にはまだ息子や嫁に「上げ膳据え膳」で老後のお世話をしてもらえると幻想を描いている親もいるようだが、今どきは、「自分の介護は自分で備える」「親の介護は親自身のお金でまかなう」が原則。子世代にとっても自分たちの老後・介護の備えも重要で、特に介護離職は絶対に回避したい。

現役世代は、年金額は減らされ、社会保障は負担増が進むという憂き目にあっている。「親孝行」をしたくても、ない袖まで振るのは誰にとってもよくない。

親の貯金額や資産状況をあれこれ聞き出すのは子どもとして気が引けるだろうし、親も答えにくいかもしれない。しかし、親も子も、意識を変えるときがきたのである。

▼節約術 調べておきたい「親のお金」チェックリスト
・月々の年金受取額

・資産/株・不動産・山林・金・宝石など

・貯蓄額/銀行名・口座名・暗証番号

・生命保険・医療保険の有無・保障内容

・ローンの残債額/住宅・リフォーム・車購入ローンの残高

・きょうだい・親戚への借金

・連帯保証人になっている債務

・ゴルフの会員権

・お墓・葬儀の契約の有無

・価値のある動産/絵画・壷・書

・遺言書の有無

豊田眞弓
ファイナンシャルプランナー
マネー誌のライターを経て1994年から現職。育児や介護など実体験に根ざした相談業務を行う。『いまからはじめる相続対策』など著書多数。All About教育資金ガイド。
(文=東 雄介 写真=PIXTA)
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