社労士として現役の管理職時代の収入水準をキープ
「土曜日は資格取得の専門予備校に通学。日曜日を丸一日、予習・復習に充て、ウイークデーも帰宅すると8~10時まで机に向かいました。また、部内で社労士の資格が取れたら独立すると宣言をして、わざと自分を追い込むようにしました。もっとも『受かる前から何をいっているの』といった反応でしたが……」(同)
笑みを浮かべながら話す澤木さんは、ファイナンシャルプランナーとキャリアカウンセラーの資格も立て続けに取得する。年金を含めた老後の資金設計、そして定年後の働き方など、シニアの生き方をテーマにした講師業を独立後の事業の柱のひとつにすべく、専門知識を得るためであった。
「結局、51歳で退職して『さわき社会保険労務士事務所』の開業を、資格を生かした個人事業主の形で果たしました。ありがたかったのは、社内セミナーの講師を引き続き任せてもらえたことです。現役時代に社内の人間関係を大切にしてきたからこそ、いただけた仕事です」(同)
現役時代に築いた良好な人間関係は、シニアのビジネスマンが独立後に成功するための秘訣のひとつといえるだろう。いまでは、数多くの企業から講演の依頼が舞い込み、約50万円の元手で開業した自宅兼事務所に一日中詰める日はほとんどない。またコニカミノルタグループの社会保険業務も受託し、2人の職員が専従で、約7000人分の事務代行をしている。
収入も現役の管理職時代の水準をキープできているというのだから、実に見事な第2の人生ではないか。