「マインクラフト」に没頭した子が超難関・麻布中学に合格

さらに、このゲームでは「大人の常識」を学ぶこともできる。例えば、ゲーム内で牛を倒すと生肉と皮が手に入る。その生肉をかまどで焼くと焼き肉になり、空腹度が改善する。かまどで肉を焼く時には石炭や木炭が必要だ。そもそも、かまどを作るためには石を掘ってこなければいけない……。

「マインクラフト」の公式サイトより

このように、ゲーム内で、「何を使って何を作るのか」を考えることになり、世の中の仕組みを学ぶことができる。

マインクラフトは学校教育でも実際に用いられている。CNET Japanの記事によると、立命館小学校(京都府)では、マインクラフトを活用し、「答えを決めない」という課題解決型学習を行っている。

ある授業では、清水寺や金閣寺といった京都の観光名所をマインクラフトの中で制作し、ゲーム内の「エージェント」に観光ガイドをさせるようにプログラミングした。その過程で子供達は話し合いを重ね、「トライ&エラー」を繰り返す。これらの経験を通して、実社会で求められる能力開発を行おうとしているのである。

筆者の教え子にもマインクラフトに没頭していた子がいた。彼はかなりゲームにはまっていたが、無事、首都圏の超難関・麻布中学に合格した。

多くのゲームは、「ボスキャラを倒す」という目標は、時間さえかければクリアできるようになっている。一方、マインクラフトにはそもそも「ボスキャラ」がいない。明確なゴールは存在せず、プレイヤーは自ら目標を作らなければならないのだ。

麻布中学に合格した彼は、建物や町を作ることに熱中していた。自分で目標を立てて、自分でそれをクリアしていくゲームを進める中で、創意工夫や試行錯誤を重ねることは、思考力を高めることになるだろう。

一方、攻略ページや動画を見て、それらをただ真似することに時間を費やす、というだけでは思考力は高まらない。それは学習効果という意味では、ゲームの悪い遊び方だといえる。

▼「桃鉄」で中学受験の社会は乗り切れる

ほとんど「勉強」と思われるゲームもある。

それは1988年に第1作が発売されて以来、さまざまなゲーム機で展開されてきた「桃太郎電鉄」シリーズだ。最新作はニンテンドー3DS版の「桃太郎電鉄2017 たちあがれ日本!!」。そのほかスマホアプリでも遊ぶことができる。

筆者は、中学受験の本番までまだ時間のゆとりがある小学4年~5年生には「どうせゲームをやるなら桃鉄」と伝えることもある。

「桃鉄」は、鉄道会社の運営をモチーフとしたゲームで、プレイヤーはサイコロを振りながら日本中を走り回り、ライバルと競いながら、各地の「物件」を買い集めていく。ポイントは、登場する地名がすべて本物で、物件購入を通じて、その土地の特産品を知ることができる点だ。

たとえば、山形・天童には、さくらんぼ農園、ラ・フランス園、将棋の駒工場などの物件が登場する。山形県は、さくらんぼとラ・フランスの生産量が日本一であり、天童市は伝統的工芸品の将棋の駒で有名だ。