「世の中の常識」をゲームで知ると偏差値が上昇

こうした「学力を高めるゲーム」は、最新の作品に限らない。たとえば「シムシティ」だ。これはプレイヤーが市長として街づくりを行うシミュレーションゲームで、1989年に初めて発売され、1990年代に一世を風靡した。現在もスマホ向けゲームアプリ「シムシティ ビルドイット」などで遊ぶことができる。

「シティ ビルドイット」の公式サイトより

面白いのは、街の環境を整え人口を増やし、税収を上げ、さらに街をよくしていく、というプロセスの中で、さまざまな「世の中の常識」を学ぶことができることだ。

ただ住宅地を作るだけでは、住民は満足しない。道路も公園も必要だ。職場として工業地を作る必要もあるのだが、公害問題が起きるので住宅地の近くには作りにくい。ライフラインである電力を作るために発電所が必要で、発電量からすると原子力発電所が効率的だが、事故リスクが怖いので設置するなら離島に……といった工夫がいる。

中学受験で有利に戦える子は、精神年齢が高い。言い換えれば「世の中の常識」「大人の常識」が分かっている子は強い。一問一答ではなく、その場で考える問題や、自分の言葉で記述する問題が増えているからだ。

以下は最近の中学入試の「社会」で出題された問題だ。

ホテルの宿泊料金について、土曜日の宿泊料金が、ほかの曜日の宿泊料金よりも高くなっている理由を説明しなさい。
▼ホテルの宿泊料金(1泊2食付き、1名料金)
・月曜日~金曜日の宿泊料金:9,800円
・土曜日の宿泊料金:11,800円
(学習院女子中等科2010年)

(参考記事:「頭のいい子」を作る親の夏休み旅行術

以前にも紹介したので、ご存じの読者がいるかもしれない。こうした問題に対し、「シムシティ」のような社会常識を養うゲームは役に立つ。

▼「マインクラフト」なら未就学児でも大人の常識学べる

同じことは、ここ数年流行している「マインクラフト」にもいえる。これは3D空間に立方体のブロックを配置して、さまざまなものを自由につくるゲームだ。シムシティは小学校高学年以上向けだが、マインクラフトは未就学児でも遊べる。

マインクラフトでは、ブロックを使って建物も作れるし、村や街を作ることもできるし、線路も作ってトロッコを走らせることもできる。何のブロックをどのように組み合わせれば自分の理想に近いものができるのかを試行錯誤する。まさに創意工夫していく点が「教育」に資する。