今夏は短時間かつ局地的に降る「ゲリラ豪雨」が相次いだ。気象庁によると今年6月から8月までに全国1205地点のうち59地点で1時間雨量の観測史上1位が更新された。
「高気圧の勢力が弱かったことが天候不安の直接の原因。温暖化の影響もゼロではないでしょう」
NPO法人「気象キャスターネットワーク」のメンバーで気象予報士の田代大輔さんによれば、日本列島は毎夏、太平洋高気圧に覆われるため晴天に恵まれやすい。しかし今年は高気圧の勢力が弱く、南の海上から暖かく湿った空気が流れ込んだ。このため積乱雲が次々と発達するなど大気の不安定な状態が続いたのだという。
「豪雨の原因を温暖化だけに求めるのは早計。しかし多くの専門家は温暖化の進展とともに大雨の頻度が増えると予測しています」(田代さん)
どうやら来年以降も頻発が予想される。対策はないのだろうか。
気象情報会社「ウェザーニューズ」は7月末から月額315円の会員向けサービスに「ゲリラ雷雨メール」を追加した。自宅や勤め先などで突発的な豪雨の可能性があると携帯電話にメールで知らせる。すでに登録者は5万人を超えたという。
京都大学防災研究所の戸田圭一教授(都市水害)は、こう説く。
「豪雨時は地下や川沿いといった危険な場所には近づかない。また自治体が用意しているハザードマップにも事前に目を通しておきたい。自分の身は自分で守るという意識が重要です」
(ライヴ・アート=図版作成)