「結婚費用に使います。金利10%までで30万円貸してください」――その書き込みを読んだ貸し手が次々にオークションで応札する、そんな取引がネット上で交わされることが将来、常識になるのかもしれない。
8日28日、日本初となるソーシャルレンディングサービスの運営を予定しているmaneo株式会社が今秋に営業を開始することを発表した。
ソーシャルレンディングとは、インターネットのオークションサービスやSNSを利用した個人間融資のこと。そのサイトは貸し手と借り手を仲介する場となっていると考えればよい。借り手が年収など自分のプロフィルと、借りたい金額、金利の上限、借入期間、使用目的などをネットに公表すると、その情報を見た貸し手が融資可能な金利と金額(一定額の上限あり)を入札していく仕組みだ。借り手も貸し手も個人であるため、金利を柔軟に変えられることが大きな特徴となっている。
海外では米・プロスパーや英・ゾーパなど欧米事業者が中心だが、最近はアジアにも拡大中。日本ではmaneo以外にも、すでに2007年8月にはプロスパーがSBIホールディングスと共同出資した「SBIプロスパー」を設立、英大手のゾーパも日本法人を設置し、共に開業準備を行っているようだ。
課題もある。まずはリスクを嫌う日本人が貸し倒れリスクを負うこのサービスを受け入れられるかだ。今のところ「『貸し手に興味がある』という連絡が圧倒的に多い」(maneo広報担当者)ようである。最終的には、優良な借り手の確保がカギになりそうだ。