5年間もごまかしがきいている「アベノミクス」

【片山】「デフレからの脱却」「富の拡大」を声高に繰り返し続けるアベノミクスがまさにそう。トリクルダウンがないという結果は出ていると思うのですが、いまだに撤回しない。しかも安倍を含めた閣僚の誰もが後始末のことを考えていない。それなのにまともな抵抗勢力もない。本当にひどい話です。

とはいえアベノミクスは、12年の第二次安倍政権発足から5年間もごまかしがきいているのですから、ある意味ではすごいスローガンではありますが。

【佐藤】成果がほとんど出ていないにもかかわらず、いまだに連呼していますからね。アベノミクスが何をもたらすのか。確かに富裕層は一層豊かになっています。しかし、圧倒的多数の国民にとって、どのような経済政策なのか、伝わっていません。安倍自身も理解していないのかもしれません。

とんでもないのが、アベノミクスから派生した労働政策です。安倍政権になってから官製春闘が行われるようになったでしょう。

【片山】官製春闘の話を聞いたとき、私も本当に信じられない世の中になったと思いました。法的な根拠もなく国家が企業に給料を上げろというわけですからね。訳が分からない。狂っていると言ってもいいほどです。この国家体制はなんなのか。頭を抱えてしまいました。

明らかに異常事態のはずですが、メディアはアベノミクスに対して無批判でしょう。いえ、無批判ならまだしも好意的に報じている。これも大きな問題です。