「失敗を恐れなくなる」意外なアプローチ
読者のなかにはこう考える人もいるだろう。
「いつも自分を許していたら、受け身になってしまうのではないか?」
自尊心を維持する心配がなくなったら、意欲や鋭さも失ってしまうのではないか?
しかし実際は、セルフ・コンパッションが足りない人ほど受け身になるのだ。あなたが自信満々なとき、自分の認識に合わないフィードバックは無視しがちではないだろうか? 自信がないときは問題に目を向けるが、それを克服する試練に耐えられそうにない。
ところがセルフ・コンパッションはあなたに問題を直視させ、それを解決するための手だてを実行させる。調査によると、この自分に寛容なアプローチなら、問題に取り組んだ結果落ち込むことも少ないので、問題に対してより積極的に向かうことができる。つまりセルフ・コンパッションがある人々は自分を責めないので、失敗をそれほど恐れず、ひいては先延ばしを減らし、グリットを高めることにつながる。
自分を許すことはまた、自信を保ち続けるより簡単だ。自分自身に語る手柄話を更新する必要もなく、自分の価値を証明するために毎日ドラゴンを退治する必要もない。調査によると、私たちは自分の良い評判を聞くのが好きだが(これは当然として)、実は本当のことを聞くのも好きだ。だが本当の話は自尊心と相いれないことが多いので、なおざりにされることがある。しかし自分への思いやりがある人なら、真実を聞くことも厭(いと)わないのだ。
エリック・バーカー(Eric Barker)
大人気ブログ“Barking Up The Wrong Tree”の執筆者。脚本家としてウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどハリウッドの映画会社の作品に関わった経歴をもち、『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』は、初の書き下ろしにして全米ベストセラーに。
大人気ブログ“Barking Up The Wrong Tree”の執筆者。脚本家としてウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどハリウッドの映画会社の作品に関わった経歴をもち、『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』は、初の書き下ろしにして全米ベストセラーに。
(写真=iStock.com)