〔寿司〕 鮨 きよ本

――新鮮なネタはもちろん、シャリの硬さや酢加減など江戸前寿司の神髄を探求

銀座の名店「なか田」の店長だった清本勝次さんが独立し、今年4月21日にオープン。

●東京都中央区銀座5-5-9 オージオ銀座ビル5F TEL.03-6273-1590 営業時間/12:00~14:30、17:00~21:30(20:30LO)祝日は夜の営業のみ 日曜休 予算/昼は4000円~、夜は1万円~ 予約可能(夜は要予約) 席数19(カウンター11、テーブル8) カード不可 全席禁煙(喫煙ルームあり)

1.旬のネタを贅沢に敷き詰めた「吹き寄せ」(4830円~)。新潟のコシヒカリを、暑い時期は少し硬めに炊いて仕上げる。カレイの昆布締め、エビ、あおりいか、脂の乗ったトロが食欲をそそる。
 2.「おまかせ」(1万5750円~)。生の魚介類のほか、手間をかけた酢締めの魚やあわび、穴子、たこを煮物に仕上げたネタで握った伝統の江戸前寿司。
 3.「バラチラシ」(3990円)。火を通したネタばかりで、時間を少しおくとなじむため、お土産用にも最適。
 4.芝翫さんのお好みでもある「貝の盛り合わせ」(時価)。新鮮で歯ごたえが小気味よい赤貝、かむごとに甘さが広がるみる貝、たいら貝、あわびの旨味がたっぷりの蒸しあわびは、ぜひスッキリとした日本酒と一緒に味わいたい。盛り合わせの内容は季節ごとに異なる。

〔どじょう〕 駒形どぜう

――浅草で江戸時代の味を今に伝えて208年目のどじょう料理の名店

店名が「どぜう」となったのは江戸時代から。文化3年(1806年)の大火で被災し、「どぢやう」は四文字で縁起が悪いということで、奇数の「どぜう」に。1階の入れ込み座敷は、江戸時代の雰囲気が味わえる。

●東京都台東区駒形1-7-12 TEL.03-3842-4001 営業時間/11:00~21:00(LO) 年中無休 (原則)  予約は4名から可 席数220~230(大広間、小部屋、椅子席あり)  カード不可

1.通称“丸”と呼ばれる「どぜうなべ」(1650円)。どじょうは、湯布院に近い院内町の温泉水で養殖し、お酒を飲ませてから調理するため臭みが感じられない。創業時より伝わる秘伝の割り下で軽く煮込み、ねぎをたっぷりかけて食べるのがツウ。宮城県産の柔らかいねぎは、お代わり自由。
 2.「柳川なべ」(1450円)。土鍋にささがきごぼうを敷き、どじょうを並べてだしをかけて卵で閉じる。上品に仕立てた一品だ。
 3.「どぜう汁」(350円)。“安価な庶民の味として残したい”と先代から値上げを禁じられたというサービスメニュー。深川と京都のあわせ味噌は、まろやかで深みがあり、五臓六腑に染み渡るおいしさ。食べなきゃ損。
 4.「さらしくじら」(1150円)。今や調査捕鯨用しか食べられない、希少価値の高い鯨料理。コリコリとした歯ごたえと、やや癖のある脂身に酒が進む珍味。

(小宮千寿子=構成・文 浜村多恵(鮨 きよ本)、奥谷 仁(駒形どぜう)=撮影)