社員の生産性とやる気を引き出す仕掛け

ITサポートセンターがあり、スタッフが駐在して社員を支援する。

新本社は、シャー氏の意向をくんで、社員同士のさらなるコミュニケーションの活性化と業務効率を図るため、最先端のオフィス機器とテクノロジーが随所に導入された。例えば、すべてガラス張りの会議室。予約・使用状況をデジタル管理して、有効活用を図るとともに、全国の拠点とネットワークでつなぎ、テレビ会議も可能になっている。

また、各フロアの入り口に「クラブ」と呼ばれるオープンな共有エリアを置いた。ここでは随時、各部署を超えてミーティングを行ったり、昼食をとったりと、誰でも自由に利用することができる。クラブエリアだけでなく、執務エリアにも予約なしで気軽にミーティングが行えるスペースや自席以外で、ひとりで集中して業務を行うためのプライベートスペースの「フォーカスルーム」があり、業務の生産性やスピードを高めることに一役買っている。

ひと休みしたり、リフレッシュすることができるゲームルーム。

ゲームルームやカフェテリアにも力を入れている。ゲームルームには卓球台、本格的なサッカーゲームテーブル、ダーツ、テレビゲームが設置され、休憩時間に同僚と楽しんでリフレッシュすることができる。カフェテリアは有料だが入れたてのコーヒーや紅茶、簡単なスナックや軽食が提供される。

このように充実した設備によって社員の生産性やモチベーションを上げ、組織として一体感が持てる環境づくりに取り組んでいる。

入れたてのコーヒーや紅茶、スナックや軽食を提供するカフェテリア。

「こうしたアイデアすべて、ここで仕事をする約900人の社員が健康的な職場環境で、新たな働き方をするためといえます。役員室はオフィスの内側に置き、各部署の社員のデスクを明るく眺めの素晴らしい窓に面したスペースに配置しました。役職や立場に関係なく、開放的な雰囲気のなかで互いにコミュニケーションの活性化を図りながら、それぞれの能力を最大限に発揮してほしいと考えているからです」(シャー氏)

丹野氏によれば、レイアウトや備品はメットライフのニューヨーク本社に範をとったという。グローバルな業務展開に伴い、本社オフィスには、外国人社員も1割弱活躍していて、日英の言語といくつもの文化が共存している。しかも、その人たちが、コラボレーションをして働く機会が増えていることから、こうしたオフィスを志向した。