ネガティブな感情の正体は身体感覚にあり

自分の気持ちを理解してあげる際、その身体感覚を肯定することがとても役に立ちます。

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東洋には「心身一如」といって、「心と体はひとつながりのもの」という考え方があります。例えば、イライラしているときは眉間や肩、喉に力が入り、心臓がばくばくして頭に血が上っています。クヨクヨしているときは、呼吸がきゅっと緊張しておなかに力が入らず、何とも言えない脱力感が全身を包み込んでいます。

東洋では、その身体感覚こそが、イライラやクヨクヨの正体ですよ、と教えているのです。試しに、眉間を少しも緊張させることなく、喉や首や肩を完全にリラックスさせ、呼吸をゆったりしながらイライラしてみてください。

無理ですよね?

体をトータルにリラックスさせながら、イライラすることはできません。クヨクヨすることはできません。ネガティブ感情のみならず、感情や気分の正体は、身体的な変化、そしてその身体感覚そのものなのです。だから、その変化や感覚を消し去れば、イライラやクヨクヨを継続できなくなるのです。

「体の叫び声」を否定すると萎縮する

そして、前のページで触れたように、その感覚を消すためには、まずその感覚を肯定してあげることが大切です。身体感覚とは体の叫び声。脳に何かを聞いてほしくて、気づいてほしくて発する体の叫びなのです。それをピシャリと一喝し、「いなくなれ!」と否定したら、それだけで体は硬く委縮します。

だからまず、体のそこにその感覚があることを認めてあげましょう。その感覚を、邪魔物だと頭ごなしに否定しないであげましょう。

それができたらあら不思議。本気で本音でそう思えたら、その感覚はすーっと消えていくのです。「ありがとう。聞いてほしかっただけなの」。幽霊が成仏していくイメージです。体からその状態、その感覚がすーっと消えていくのです。

気持ちは体で作られる。だからしっかり体の気持ちを聞いてあげましょう。