親の面倒をみることを心が拒否するのは仕方ない

ちなみに、平均寿命はこうなっている(厚生労働省「平均寿命の年次推移」より)。

1947(昭和22)年 男性 50.06歳、女性 53.96歳。
1970(昭和45)年 男性 69.31歳、女性 74.66歳。

*写真はイメージです。(写真=iStock.com/kevinruss)

サイエンスライターは続ける。

「子どもが親の用事をあれこれ、しかも長期にわたってやるようになったのはつい最近で、それもわが国だけの特殊のことだと思うわよ。つまり、DNAにもともと組み込まれていないことをやらなくてはならないってことはものすごい苦痛を呼ぶものだと考えられるわけ。だから、わが子の面倒はいつまでたってもみられるけれども、親の面倒をみることを心が拒否するのは仕方ないと思うわ」

そして、彼女はこう言ったのだ。

「もともとプログラミングされてないことを理性の力だけでやろうとしているんだから(親の介護を担っている人たちはそれだけで)逆にすごいと思いますね」

▼「文句は言われるが誰からも感謝されない」

私は母の介護をめぐって、「文句は言われるが、誰からも感謝されない」という現実に悩んでいたが、彼女の言葉で救われた気がした。

現在、介護で疲弊している人への特効薬は、残念ながらない。少なくとも私には「こうすれば疲弊を防げる」という方法や対策を伝えることができない。だが、家族の介護にかかわっているみなさんに、私はこれだけは言いたい。

「理性の力だけでやろうとしているんだから、本当にすごい」

このことはやはり、誇りに思っていいのではないかと思っている。