すぐ離職する若手 原因は本人にあるのか組織にあるのか
厚生労働省の「新規学卒者の離職状況(2014年3月卒業者)」(2017年9月)によると、2015年大卒就職者の3年以内の離職率は32.2%。高卒も40.8%、中卒67.7%となっている。
大卒の内訳は入社1年目で12.3%、2年目で10.6%、3年目で9.4%と毎年10%前後が離職している。新人の離職率の増加は、採用・教育に費やしたコストの損失以上に経営のリスクに直結する。
せっかく就職したのに、なぜ早々に離職してしまうのか。
2013年の同省の調査によれば、若者の離職理由で最も多かったのは「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(22.2%)だった。それに続くのは「人間関係がよくなかった」(19.6%)、「仕事が自分に合わない」(18.8%)。
人間関係が悪い、仕事が合わない。そんな回答を深読みすると、前述したような「パワハラ指導」が原因という若者も相当数存在すると思われる。
▼スマホをいじる、敬語が使えない、あいさつができない
ただし、最近の新人や若手社員の側に全く問題がないわけではない。私は日々、多くの人事担当者に取材しているが、彼らからはしばしば愚痴や嘆きの声を聞く。
「最近の若い子は敬語が使えない」
「取引先に帯同しても一言も話さない」
「厳しく注意すると翌日に母親から体調を崩して休むとの連絡が入った」
「始業時間ぎりぎりに出社して、あいさつもしないで平然と着席する」
また、日馬富士や白鵬など先輩横綱が貴ノ岩に指摘したように、「こちらが話しているのにスマホをしている若者も少なくない」という。