95% vs 5% 長命と早死の確率はどちらが高いか

「95% vs 5%」

この数字の対比を見て、ピンとくる人は少ないでしょう。これは「60歳定年前に死亡する人と、定年後に死亡する人の割合」です。若くして亡くなった芸能人のニュースを見たり、友人・先輩など身近な人の葬式に参列したりするとき、私たちは「死はすぐそこにあること」を実感します。しかし実際は60歳前で亡くなるのは、20人に1人以下、5%以下なのです。

毎年更新される人口統計に厚生労働省の「簡易生命表」があります。平均寿命の引用にしばしば用いられる数字ですが、ここにはある年齢時点での生存率も示されています。60歳男性の生存率は92.8%、65歳女性は96.0%となっており、男女平均でいえば約95%は60歳まで生きている計算になります。

▼60歳までに死ななかったら456万円損する人たち

もし、あなたが新卒として働き始めると同時に生命保険に加入し、定年の60歳まで加入し続けたとします。その生命保険のうち、毎月1万円分が死亡保障のための掛け捨てだとすると、「5%」の人は数千万円の死亡保障を遺族に残すことができます。

一方、「95%」の人は22歳から60歳までのあいだに456万円を保険料として支払います。これは人生においてかなり大きな額の“買い物”をしたことを意味します。生命保険会社への総支払額を「安心料」と考えれば、そんなに高額とは言えない。そう思う人がいるかもしれませせん。しかし、大学・大学院卒の男性の生涯賃金は2.7億円(独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2016」)です。税金などを引いた手取りが約70%だとすれば、総支払額の456万円はその2.4%にあたる額となります。決して少なくない金額です。