預金口座に紐付いた「デビットカード」にお得なものが増えてきた。クレジットカードと違って原則審査が不要で、預金残高の範囲内しか使えないため家計管理もしやすい。また口座から即時に引き落とされるので、利用履歴がリアルタイムに通知される機能もある。一方、そうした機能を、「夫の不倫発見ツール」として使っている人もいる。その方法とは――。

米国ではクレジットカードより決済件数が多い

クレジットカードやプリペイドカード、電子マネーなど、現金以外の「キャッシュレス」による決済手段が多様化している。このうち、最近徐々に認知度が上がっているのが「デビットカード」だ。欧米では普及や利用が進んでおり、特にアメリカでの決済件数はデビットカードのほうがクレジットカードよりも多いという。

日本では、銀行のキャッシュカードを使う「J-Debit」があったが、キャッシュバックやポイント還元率などがなく、利用できる場所も限定的だった。だが、最近、クレジットカードの国際ブランドであるVISAやJCBが、銀行と提携して発行する「ブランドデビット」が登場し、広がりつつある。提携する国際ブランドの使える場所であれば、クレジットカードと同じように使うことができ、ポイントやキャッシュバック、各種の付帯保険、海外での利用などもクレジットカードと遜色がない。

またデビットカードには、決済した瞬間に「どこでいくらお金を使ったか」がわかるという特徴がある。クレジットカードの利用履歴は、反映されるまでに数日のラグがあることが普通だが、デビットカードではリアルタイムで確認ができるのだ。詳細は後述するが、家計相談に訪れた人のなかには、この仕組みを「夫の不倫発見ツール」として使っているケースもあった。

あらためてデビットカードのメリットとデメリットについて確認しよう。

▼デビットカードの基本とメリットをおさらい

「デビットカード」は、預金口座に付随する決済用カードである。金融機関が発行するこのカードで決済すると代金などが即時に口座から引き落とされる。日本では2000年3月に「J-Debit」としてサービスが始まった。

J-Debitの場合、わざわざ新しくカードを作る必要はない。使用している金融機関のキャッシュカードがそのまま利用でき、手数料や年会費などのコストもかからない。代金を支払う際に、キャッシュカードを提示して、本人が暗証番号を入力するだけで決済完了だ。

現在、ゆうちょ銀行や都市銀行、地方銀行など全国1076金融機関のキャッシュカードが使用可能となっている(2017年11月21日現在。日本デビットカード推進協議会調べ)。