実践するための3つのポイントとは

日々の業務にジョブ・クラフティングを取り入れるためには、ポイントが3つあります。

1つ目は、自分の役割を柔軟に見直すことです。私たちは、「前任者がこういうふうにやっていたから」「引き継ぎでこれをやれと言われたから」などと、自分の仕事を限定的にとらえてしまいがちです。そこで、改めて、自分の役割とは何か、自分の所属する部署やポストは何のためにあるのか、といったことを問い直してみます。すると、今やっていないことであっても、実はやるべきことがあるのではないか。そしてそこに、自分の強みや、関心のあることを取り入れていくことができるのではないか、と考えを広げていくことができます。

2つ目は、日々できる、些細なことから始めること。仕事を見直すといっても、いきなり大きなことをやろうとすると、なかなか前に進みません。例えば、「普段話さない上司に少し話をして感触を探る」「仕事をする際に現場の人の声を少し聞いてみる」「この業務に詳しい人から情報収集してみる」など、小さなことの積み重ねが、やがて大きなクラフティングにつながっていくと考えられます。

3つ目は、時間軸を延ばして考えてみることです。日々仕事に追われていると、「これ以上仕事を増やすなんて考えられない」と思う人もいるでしょう。そういう場合は、例えば、20年後の自分の部署はどうなっているべきか、あるいは、自分は20年後にどうなっていたいか、という視点から、今の仕事でできることを、距離を置いて考えてみましょう。そうすれば、新たなアイデアが生まれやすくなると思います。