「オクターブ」の億(オク)
ここでもう1つ役立つのが、指数を使った「ざっくり計算」である。「2の10乗=1024≒1000」とみなす。そうすると「1000=10の3乗」と表すことができる。この指数の3は、1に続く0の個数と等しい。
コピー用紙を20回折ると「2の20乗=(2の10乗×2の10乗)」なので「10の3乗×10の3乗=?」と置き換えられる。指数法則でかけ算は指数を足せばよいので、「10の6乗」となる。同様に40回折ると「10の3乗×10の3乗×10の3乗×10の3乗=10の12乗」。つまり、1,000,000,000,000(1兆倍)となる。
さらにもう1回(41回)折ると、倍の2兆倍になり、さらに折ると(42回)、その倍の4兆倍になる。ここでいったん、紙の厚さを測ってみよう。「0.08mm×4兆=320,000,000,000mm=320,000km」。かなり月に近づいた。
そして、最後にもう1回(43回)折ると640,000kmとなり、月を一気に超えてしまう。つまり冒頭の問題の答えは、(1)約40回ということになる。実際にコピー用紙をそんなに折ることは不可能だが、計算上はそうなるのだ。
こうしたざっくり計算は、ビジネスパーソンにも有用だろう。なお、日本の数の単位は0が4つごとに変わる。1に続く0が4つのときに「万」、8個のときに「億」、12のときに「兆」。0がたくさん並ぶと単位を数えるのが面倒だ。
「オクターブ(ドレミファソラシドの8音)の億(オク)」と覚えておくと便利だ。
(構成=田之上 信)