「女性初の首相」の夢は消えたのか
「希望の党」代表の小池百合子都知事が繰り返し、衆院選への不出馬を表明している。日本国憲法が首相を国会議員の中から選ぶと明記している以上、今回の衆院選に出馬して当選しなければ、首相指名選挙の候補にはなれない。出馬しない限り、65歳という小池氏の女性初の首相の夢は消えてなくなるということである。
小池氏は10月5日の民進党の前原誠司代表との会談後にも「ラブコールをいただいたが、出馬は考えていないことは、再三お伝えしている」と記者団に話した。
しかし、だれがどう考えても、いまの希望の党には、衆院選で台風の目となり、安倍1強を倒せるような人物は小池氏以外にいない。自民党にすり寄ってポスト安倍の石破茂元幹事長や野田聖子総務相を狙って奪い取るとの見方もあるようだが、小池氏はそんな甘いことはやらない。
再三の衆院選不出馬表明は、政治家である小池氏のお得意の「方便」だ。彼女は連休明けの10日の公示ぎりぎりに出馬表明するはずだ。なぜそう思うのか。それは彼女が本物の「魔女」だからだ。
週刊文春「小池百合子という魔女」
「小池百合子という魔女」――。「週刊文春」(10月12日号)の新聞広告の1文だが、「魔女」という言葉に惹かれ、週刊文春を買いに走った。作家の林真理子氏が連載コラム「夜ふけのなわとび」で、小池氏の心中を想像して書き上げている。その内容は「魔女」という惹句に相応しいものだった。
「やってみると豊洲問題はめんどうくさいし、都議会議員は使えないヤツはっかり。やっぱり国政は楽しかったワー」
「それ(日本初の女性首相)に比べたら豊洲って何なのよ。自分は今まで何てつまんない小さなことにかかわってきたんだろう」
こう書いた後、林氏は「小池さんの心情を勝手に想像したが、そう間違ってはいないはずだ」と言い切り、さらに「近いうちに小池さんは都知事を辞職し、衆議院に立候補するに違いない。そして……にこやかに当選者にバラの花を飾っていくだろう」と書いている。