不登校になった娘に馬乗りする育児放棄の母親
そうした妻の態度は、夫の達也さんからみても許しがたいものでした。「育児放棄」にとどまらず、家族の夕食作りもたびたびサボタージュ。達也さんが出張中で不在のときでも、妻は娘へ「遅くなるからよろしく!」とLINEを送り付け、帰宅は深夜か朝帰り。もちろん食器洗いや洗濯、息子の世話も娘に押し付けていました。
娘はまだ18歳の高校生。いくらしっかり者でも、遊びたい盛りです。それにもかかわらず育児や家事を放棄する妻のせいで「妻代わり」「母代わり」をさせられ、自由時間を奪われた。母親に対して不信感や嫌悪感を募らせていったのも無理はありません。
一方、父娘関係はといえば、一緒に買い物に出かけたり、遊園地で遊んだり、韓流アイドルのライブを楽しんだりと母娘関係とは対照的に良好だったそうです。
▼母との関係悪化で娘は不登校になった
ただ、母娘関係の悪化とともに娘の様子は日に日におかしくなっていきました。メイクをして登校したり、学校を無断で休んだり、早退したり。生活態度が悪くなっていったのです。自宅に戻っても自室の隅で体育座りをしたり、トイレに閉じこもったり、「私なんていないほうがいい」と口にしたり。不登校の日も次第に増えていきました。
そんな荒れた日々の出来事でした。達也さんが仕事から帰宅すると、リビングルームで妻が娘に馬乗りになっていました。
「どういうことなの!」。妻は大声で怒鳴り散らすと娘の頰を力いっぱい引っぱたきました。血相を変え、髪を振り乱している妻を娘から引き離し事情を聞くと、どうやら娘がその日も学校を途中で抜け出したようなのです。
「友達のライブに行っていた」
娘の弁明はいかにも苦しいものでした。しかも、翌日は学校の定期テスト。以前はしっかり試験対策していた娘が、最近は何の勉強もしていなかったことで妻はずっとイライラしていました。そしてこの日、ついに堪忍袋の緒が切れたのでしょう。妻の怒りは収まるどころか、その矛先は夫(達也さん)へ向かってきました。