しゃべり出したら止まらない上司にいちいち付き合っていたら、時間がいくらあっても足りなくなる。とはいえ、対応をしくじって大きな禍根を残したくない――。嫌われずに長話を打ち切る、とっておきの方法を伝授しよう。

すべて「7文字」で終わらせよ

限りあるビジネスマンの労働時間を無情に奪うもの……。それは上司の長話です。無駄で不毛な長話に付き合わされ、結果、残業や休日出勤の責め苦に喘いだ経験のある人は少なくないことでしょう。彼らはなぜ長話をするのでしょうか? 上司が社長とゴルフに行った、などの自慢話を延々とするのは一種の演出、権威付けのためでしょうか。自分が何を言いたいのかわからず、話をしながら考えを整理するタイプの上司は必然的に話が長くなりますし、単に話を短くまとめる能力に欠けている人もいます。ですが、上司の中でも特に多いのが「過去の自慢話をする」タイプです。真偽も不確かな妄想交じりの武勇伝を延々聞かされる部下はたまったものではありません。

あなたは歯を食いしばり上司の武勇伝を無限に受け入れなければならないのでしょうか? いいえ、そんなはずがありません! 時間を無駄にする社員は会社のコストを高めており、そして時間の無駄の最たるものこそが上司の武勇伝なのです。上司の長話に1秒付き合うごとに会社へ損失を与えていると考えるべきであり、1秒でも早く長話から抜け出すことこそが全ビジネスマンの至上課題なのです!

では、「どうやって長話を切り上げるか」ですが、そもそも長話が始まった時点で負けだ、という考え方もできます。実際に暴漢に出くわしてからエイッ、ヤアッと敵を倒して窮地を切り抜ける護身術は下策です。至上の護身術はそんな危険な場に初めから近付かないことでしょう。つまり、あなたは「上司から長話をされないような人間」になればいいのです。プレジデント誌アンケートの結果、さまざまな理由が見えてきました。この調査をもとに今回は「長話の切り抜方」を考えてみましょう。

※アンケート調査概要:「どうやって長話を切り抜けるか」について編集部とアイブリッジで実施。20~50代の働く男女320人より回答を得た。調査日は2015年12月16~18日。

例えば、このようにすればいいのです。上司が仕事に対して進捗の確認などを求めてくる場合もあります。報連相は社会人の基本ですが、しかし、これは時と場合と相手によります。報告とは、要は相手が不安になったときに求められるものであり、それ自体はプロジェクトに対して何らの付加価値も生まないものです。そこに上司からの適切なアドバイスなどがなされることで、報告にはプラスの価値が生まれますが、相手がダメ上司であれば不要なアドバイスで現場が混乱させられるばかりか、さらに武勇伝などに発展してしまい、目も当てられぬ事態に陥ります。なので、相手によっては、あらゆる会話を最小限にしたほうが安全です。そのためには、進捗などの情報はこまめにまとめて、あらかじめメールなどで逐一報告しておくといいでしょう。

「あの件の現状なんだけど……」
「メールしました」
「現状はいいとして今後の展望は……」
「メールしました」
「言っちゃなんだけど、僕の若い頃は……」
「メールしました」

このようにすべてを「メ」「ー」「ル」「し」「ま」「し」「た」の7文字で終わらせることができます。もちろんそのメールの内容がわかりにくければ、「これどういうこと?」と問いかけられてそのまま武勇伝に移行されますので、もう、ぐうの音も出ないほどにわかりやすいメールを送るべきです。