上司や取引先から一目置かれる「賢語」
「品格のある言葉遣いができれば、ビジネスにおいてアドバンテージになります」。「仕事でナメられないための賢語手帳」の著者で、「コミュニケーションドクター」を名乗る唐沢明さんはそう言います。
「ある程度の社会人経験を積んだ人であれば、基本的な尊敬語や丁寧語は話せて当然。だからこそ、さりげなく賢さや品を感じさせる言葉選びができると印象が良くなるはずです。特に年上の上司や幹部クラスには賞賛されるでしょう。語彙力がある、博識である、など間違いなく好感度とビジネスコミュニケーション力はアップします」(唐沢さん)
具体的にはどんな言葉遣いが効果的なのか。唐沢さんは、上司や取引先から一目置かれるような言葉を「賢語」と呼んでいる。今回、唐沢さんにはプレジデントオンラインの読者に向けて、9つの「賢語」を紹介してもらった。だが、なかには「不調法(ぶちょうほう)」や「卒爾(そつじ)」など、滅多に目にしない表現もある。こうした表現は、かえってコミュニケーションの足かせになるのではないだろうか。
「たしかに同年代の仲間や先輩クラスには、嫌みに聞こえて、不快な印象を与えるかもしれません。実際に私が20代の頃、5歳年上の先輩とランチをした際に、『さようでございますか』と伝えたところ、『そこは、そうですか。でいいだろ。こっちの肩がこるわ』と笑われたことがあります。しかし、その場合に『なるほど、なるほど』などと言うのは失礼に当たる。相手との距離感、温度感を見極めることが重要です。TPOに合わせた賢語を使えるといいでしょう」(唐沢さん)
使う相手との関係性やタイミングを間違えると、イメージダウンになってしまうリスクはある。しかし、うまく使いこなすことができれば周囲から一目置かれる存在になるかもしれない。どんなシーンであれば、「賢語」が効果的なのか。
「初対面のときの交渉にさりげなく取り入れると、社長クラスには大人の語彙(ごい)力があると高評価され、効果テキメン、有効カードになるでしょう。また、仕事や会議、ミーティングのシーンには適切だと思いますが、同年代との飲み会、食事会、ランチなどでは避けたほうが無難です」(唐沢さん)
それでは唐沢さんがプレジデントオンラインの読者に勧める9つの「賢語」をご紹介しよう。