▼アサヒグループHD 小路明善社長
ビールビジネス「新時代に突入、一気呵成に攻める!」

なぜ今、海外投資したか。2つの理由がある。一つはビールビジネスのマーケットがすでにグローバル化していること。「強い競争力を持ったグローバルなプレミアムビールメーカー」が、私たちの海外事業のあるべき姿です。

(上)アサヒグループHD 小路明善社長

もう一つが、当社の醸造技術が世界に打って出るだけの水準に達したからです。「スーパードライ」は14年、15年と2年連続で世界的なビールコンテストの金賞を獲得し、味と品質が世界に通用すると確信を持ちました。

ただし海外市場での強い競争力の発揮が必要。そのための条件が「トップブランドを持つこと」「高い生産効率と醸造技術」「事業の高収益性」「事業会社のトップの経営能力」の4つです。

当社は「スーパードライ」という国内トップブランドを持ち、高い収益性とコストダウンを実現しています。母国の市場で鍛えられた優位性は、海外市場でも生きてきます。また今回買収した欧州事業でも大変優秀な経営能力を持つ人材を確保することができました。

16年のグローバルなプレミアムビール市場では金額ベースでスーパープレミアム市場が16%、プレミアム市場が21%を占め、それぞれ年平均6.3%、2.6%伸びています。この成長市場で当社が持つ「スーパードライ」、そしてチェコの「ピルスナーウルケル」、イタリアの「ペローニ・ナストロ・アズーロ」をグローバルプレミアムブランドと位置づけ、積極的に展開し、母国以外の市場で、5年ほどかけ1.5倍のボリュームにしたいと考えています。

(撮影=関口達朗)
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