励ましてくれる「伴走者」がいると、お金は貯まる

もうひとつライザップの大きな特徴は、トレーナーがマンツーマンで指導や励ましを行う点です。ときには厳しく叱られることもあるようですが、それもまた魅力となっています。

写真はイメージです

これまでお金の体質改善に失敗してきた人が、ある日突然、お金を貯められるように変われるはずがありません。ライザップのようなメンタル面でのフォローが必要です。誰かが同じ目標に向けて一緒にそばにいてくれる、という感覚は、お金の目標の実現においても効果を発揮するでしょう。

もし、お金を払うなら、独立系(企業などに属さない)のファイナンシャルプランナー(FP)に家計相談をし、適宜アドバイスを受ける方法が考えられます。費用はFPにもよりますが、1回の相談(約1時間)につき数万円程度です(詳しくは相談する事務所などに確認ください)。

プロへお金を払う相談に抵抗があるなら、スマホに「家計簿アプリ」をインストールしてみるといいでしょう。最近の家計簿アプリは未記帳が続くとプッシュ機能で励ましてくれたり、つけ忘れを防いでくれたりします。また、頑張りに応じてアプリ内スタンプがもらえたり、達成感をもたらす工夫もあったりします。

また、家計簿アプリの分析機能も便利で、家計の問題点の抽出にも役立ちます。現実を直視し改善の糸口をつかむことはライザップでも重視されていますが、自分にあった“伴走者”を見つけることも、貯蓄体質への改善のカギといえます。

▼貯蓄体質も一度身につければリバウンドせずにすむ

ライザップの仕組みを解説した書籍としては、『ライザップはなぜ、結果にコミットできるのか』(上阪徹著・あさ出版)がわかりやすいと思います。

そこでは、どうやったら痩せられるか(痩せたあとは体質をどう維持していくか)という仕組みを知ることは一生モノの財産になるということも指摘されています。やせる理屈が分かって、それを実現できたからこそリバウンドが起きにくいというわけです。

貯蓄体質もまた「仕組みを知れば、リバウンドせずにすむ」というもののひとつです。貯められる経験をしたことがなかった人は、あっという間に「貯められたはずの10年」を無駄にすごしてしまうでしょう。

仮に、月1万円の貯金であっても、30歳から60歳までの30年間、貯金を続けられれば360万円の差になります。たかが360万円と考えるのは禁物です。実際には貯められない人は借金をするので、これ以上の差になる可能性が高いのです。

貯められる人はボーナスからも貯めたり、貯めた資金を投資に回したりすることで資産額の差はどんどん開いていきます。さらに利息や運用益も加味されますので資産は増え続け、「生存戦略」を踏み外すことがありません。貯められないままの人は常に借金(クレジットカードのリボ払いなどを含む)に追われ続ける日々を送り、定年後に絶望の20年を送らざるをえないかもしれません。

「いや、オレには無理でしょう」と言っている限り、問題はまったく改善しません。ダイエットでも、「その場限り」「明日からやる」と考えているだけでは体重は1グラムも減らないのと同じです。ちょっとずつでいいので、長期的な戦略をもって取り組めば、状況は必ず好転させられるはずです。

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