【仲】インターネット上の情報の流れは、過去3回変わってきました。無法地帯だったところに、まずヤフーがディレクトリ型で整理した。これは人力です。そして次にグーグルが出てきて、人力でやっていたものをロボットでやるようになった。そしてさらにいまソーシャルにシフトしています。たとえば信頼できる人のフェイスブックやインスタグラムから流れてきた情報を見て、共感したら「いいね!」を押してシェアをする。共感が情報を統制する時代です。ウォンテッドリーが最初に給料を書かないのも、共感の時代だから。最初にお金の話が出ている情報より、「こういうことを実現したい。だからこういう人を探している」といった情報のほうが共感を得やすいです。
多くの人にとって仕事は“我慢”ですよね?
【田原】仲さんは、“ココロオドル仕事”を見つけられるようにしたいと言っています。どういうことですか。
【仲】みんながお金を稼ぐ手段じゃなくて、仕事自体を目的として、お金をもらわなくてもやってもいいというくらいに没頭できる仕事に出合えればいいなという意味です。
【田原】でも、ほとんどのビジネスパーソンにとって仕事は“我慢”だ。
【仲】そういう時代は終わるんじゃないですか。我慢を強いられる単純労働の多くは、20年以内にロボットやAIに置き換わっていきます。将来はロボットやAIのコストが下がって最終提供価格も下がる。無理に労働しなくていい時代になると、働くこと自体が趣味というか、ラグジュアリーなことになる。我慢して働くのは、そろそろ時代錯誤かなと。
【田原】15年にオックスフォード大学と野村総研が共同研究して、将来、日本人の仕事の49%がなくなると発表しました。でも、単純作業ではなく、創意工夫が必要なおもしろい仕事は残る。ウォンテッドリーでそういう仕事との出合いを応援するわけですね。
【仲】そうです。もう一つ付け加えると、最近、人生100年時代と言われるようになりました。そうなると企業の寿命より人間の寿命のほうが長くなって、終身雇用ではなくなっていく。一社で人生が終わらないなら、社内外でつながりを育てて持ち歩いていくことが求められます。ウォンテッドリーでそれを担保できればいいなと考えています。