職場の悩みを消すアドラー心理学

では、人間関係でヘコたれない心を持つにはどうすればいいか。ここでヒントになるのが、昨今、注目を集めているアドラー心理学です。

アドラーは、人間の悩みの原因はすべて対人関係にあると言っています。対人関係のトラブルがなぜ起こるかというと、他者の領域に土足で踏み込むからです。考えれば当たり前ですが、自分の考えはコントロールできても、他者の考えをコントロールすることはできません。他者の考えることを、あれこれ不安に思ったり不快に思ったりしても、一向に埒があきません。それこそが、「嫌われる勇気」を持てということだと私はとらえています。

ですから職場の噂話も同じで、気にする必要はありません。したい人にはさせておけばいい。あなたが間違ったことをしていないのであれば、自信を持てばいいのです。真実はいつも1つ。たとえ職場で悪い噂が広がったとしても、あなたが真摯な人間であれば、周囲の人たちは「あの人はそんなことはない」とわかってくれるでしょう。

サラリーマン人生では、上司とそりが合わずに辛いという困難にもどこかで直面するでしょう。

私自身も上司と衝突して左遷された経験があります。当時、同期の中で最初に取締役に選ばれていましたが、いきなり正規ルートを外され、社員30人の東レ経営研究所の社長になれ、という人事がくだりました。当時はトップを目指していたので、とても悔しかった。