今年で9回目となったAKB48グループの選抜総選挙で、NMB48の須藤凜々花さん(20)が「結婚します」と宣言した。「恋愛禁止」というルールを破る行為として、戸惑いや批判の声もあがったが、そこには最近の「優秀な若手社員」によくみられる「ある傾向」が読み取れるという。人事採用に詳しいサカタカツミ氏が分析する――。

アイドルといえば松田聖子か中森明菜かという世代なので、いくら世間が盛り上がろうとも、これまでまったく興味がわかなかったAKB総選挙。しかし、ふと目にした須藤凜々花さんの結婚宣言に関するニュースを見て、私はびっくりしてしまった。最近の採用や社員育成の現場で起きている、上司たちの戸惑いと悩みの原因が凝縮されていたからである。

NMB48 須藤凜々花さんの総選挙用ポスター(AKB48公式サイトより)

優秀で素直だが「違和感のある若手」

最初にお断りしておくが、須藤凜々花さんとは当然面識はないし、今回の騒動(?)で、初めて名前を知ることになった。なので、このコラムも、あくまでマスメディアで報道されている彼女の発言をベースに、人事的視点で考察をしたにすぎない。

実際の彼女はまるで違う人なのかもしれないし、すべての事情が公になっていないだろうということも理解し、さらにいうとエンターテインメントの世界の話であるという前提にも立って、このコラムを書いている。それでもなお、一連の話はとても興味深いのだ。

発言や振る舞いを見る限り、彼女はここ最近、採用や育成の現場で見かける、“優秀で素直だが違和感のある若手”の典型例に見える。頭がよくて一見優秀だし、性格もいいけれど、どうもつかみどころがない。指導をすると返事はいいが、のれんに腕押しというか、言うことを聞いているようでいて、実際は聞く耳を持っていない人材……。こう書くと「あ、そういう若手、確かにいる!」と、膝を打つ人は少なくないだろう。

われわれ旧世代から見て、こうした違和感のある若手をひもとく最大のキーワードは「天動説」である。そう、宇宙の中心に地球が静止、その周りを他の天体が回転しているとする説、あれだ。

須藤凜々花さんの言動を見ていくと、(1)「自ら考えて行動する」(2)「思いがすべて(天動説)」(3)「聞き分けがよく、意志が強い」人物であることが分かる。こう書くと、「それってとても優秀な人材なのでは」と思わないだろうか? 現場の上司たちは、「一見優秀な若手」のどんなところに困っているのか。上記の3つの特徴から、彼女の言動をひもといてみよう。