天動説な若手を採用しないコツはあるのか
ここまで、「天動説」をキーワードに、最近の優秀な若手の特徴について説明してきた。断っておきたいのは「世界は自分を中心に回っている」と思っている若手が悪いわけではない、ということだ。
こうした人材は、うまくハマるととてつもない力を発揮するケースがある。ただ、そうならないリスクもある。リスクをとる余裕はない、という企業もあるだろう。しかし、彼らの多くは、一見とても優秀に見える。うっかり採用してしまう可能性は高い。彼らを見分けることはとても難しいのだ。
こうした若手が配属されたとしたら、上司や先輩と呼ばれる立場にある人たちはどうしたらいいのだろうか? まずはいったん、「彼らを自らの考えている枠の中に収めるのは無理がある」と考えるのが、現状の対処法としてはベターだろう。彼らを無理やり変えたり、枠に当てはめたりするのではなく、その意志の強さや賢さ、そしてやると決めたら自らをだましてでもやってしまう力を、うまく利用する方法を考えたほうがいい。
彼らにどんな役割を持たせ、組織の中でどう機能させるか。こうした人材が配属された上司たちは、そういう視点を持たなくてはならないのだろう。世の中にはいろいろな考えの人間がいるという前提に立って、組織のパフォーマンスを上げる方法を考える……。それは実際にはとても難しいことなのだけれど、現場としてはやるしかないだろう。