営業は断られてはいけない

はっきり言いましょう。このような人は考え方を根本的に改めない限り、顧客からの信頼を得ることはできません。

セールスマンとしての実績を積んだ後、営業の指導を始めて29年。指導に当たった中で、「売れない営業マン」に共通しているのは、「自分のことしか考えていない」ということです。どんなにへりくだろうがお世辞を言おうが、相手のことをまったく考えていないのは、不思議なほどお客様に伝わります。「所詮は自分の成績を上げたいだけでしょ」と即座に見抜かれてしまう。だから信用されず、「この人から買おう」と思ってもらえない。それなのに「お願いします」「見積もりだけでも取らせてください」としつこく営業するものだから、顧客がイヤになって離れていくのです。もっとも会社の指導もよくない。残念なことに日本全国のほとんどの会社で、「営業は断られてからが勝負」などと、間違った教育をしているのですから。

私は営業を始めて1日目から売ることができました。立地条件などが悪いために売れないと泣きつかれたマンションであっても、その日のうちに売ってしまいました。

頑張っているのに売れない人は、まず「自分のために」から「お客様のために」へと、発想を180度転換することです。そもそも営業とは、いやがるお客様に平身低頭して買ってもらうというような、卑しい仕事ではありません。お客様の生活にプラスになる商品を、売ってさしあげる、お客様から感謝されて当然の仕事なのです。

「自分の扱う商品がそこまでお客様のプラスになるとは思えない」と考えている営業マンもいると思います。しかし欠点のない人間などこの世の中にいないように、欠点のない商品もまた存在しないのです。