「浅草寺で赤ネクタイ」は北朝鮮へのメッセージ?
ペンス副大統領は本堂からなかなか出てこなくて、大人数のSPが行ったり来たり。黒塗りのシボレーやクライスラー(新聞報道では車列は計25台)が本堂の横で入口をガードするかのように停まっています。
北朝鮮との関係が緊張状態である今、副大統領がいるこの場所が標的にされても決しておかしくありません。この場で群衆の中に少しでもおかしな動きをする人がいたら、SPに取り抑えられるはずです。ミッキー帽をかぶっている一見無害そうなさっきのおじさんが実は油断できないかも、と密かに注目していました。
そうこうしているうちに、本堂に出入りするSPの動きがさらに慌ただしくなってきました。待ちはじめてから30分ほど経った頃でしょうか。本堂横の扉が開き、カメラマンやスタッフに続いて一組の男女が登場。群衆に気付いて笑顔で手を振る彼らは、ペンス副大統領とその奥様、カレンさんのようです。
お昼頃、安倍首相と会談した後、このお寺を訪れた副大統領は、真っ赤なネクタイを付けていました。不特定多数の群衆の中、真っ赤なネクタイを付けるのは目立って危険な気がします。
しかし、アメリカの政治家は赤い色でタフさやアグレッシブさをアピールするのが常套手段で、会談を成功させるためにも赤いネクタイはマストだったのでしょう(編集部注:トランプ大統領やペンス副大統領が所属する共和党のシンボルカラーは赤。色彩心理学では、赤には「成熟」「リーダーシップ」「興奮」「怒り」などのイメージもあるという)。
赤といえば、SPが襟に付けているバッヂも赤で目立ちまくっていました。攻撃的な赤色で、相手を威圧する効果がありそうです。敵に標的にされてもやられない自信が感じられます。
お寺なのに飛行機のタラップのように手を振りながら下りてきたペンス副大統領夫妻。このフレンドリーさは、厳重な警備があってこそ。敵がいないことを入念に調べて周りを固めてから、笑顔でお手振りができるのです。
「平和は力によって達成される」訪日中の副大統領の言葉が頭をよぎります。もしかしたら、浅草寺での赤ネクタイ着用は緊張関係にある北朝鮮へのなにかのメッセージだったのかもしれません。偶然にも本堂の赤とネクタイがマッチしています。