あほたれ~!!
そうじゃ。
足りない40枚は政府が国債(=借金)を発行する。
国債とは、国がお金を返すことを約束する証明書だ。
これを毎年発行するから、どんどん借金が増えていく。
いま、日本政府の借金は700枚に膨らんでおる。
まあ、実は借金はもっとあるんだが、
預金もあるから、差し引きすれば700枚くらいじゃ。
いや、おまえも貸しているんじゃ。
おまえは銀行に12円の預金があるだろう。
銀行はその12円を使って政府に貸しているのだ。
おまえなんか鼻くそほどの預金だが、
たんまり預金している金持ちがいる。
銀行はその預金で、国債を買っているのだ。
日本人は大変な金持ちで1800枚の銀行預金などを持っている。
その預金のうちの700枚は銀行などを通じて日本政府に、
400枚は企業に貸し出され、400枚くらいは自分が住宅ローンとして借り、
残った300枚は外国に貸し出されているんじゃ。
だいじょうぶじゃ。
いま、アベノミクスの効果で
企業の利益が過去最高に増えている。
企業は儲かっても工場などの設備投資に使わず
銀行に借金を返したり預金したりしているから、
政府はそれを借りればいいのじゃ。
心配するな、長い時間をかけて少しずつ上げていけば大丈夫じゃ。
さらに、最後の手段もある。
政府が日銀に「お金を刷って政府に貸せ!」と命令すればいい。
インフレになる恐れはあるが、借金もなくなる。
そんな必要はないと思うが、
万が一、本当にヤバいときには、そういう手段もとれるので
みんなが安心しているのじゃ。
監修 塚崎公義
久留米大学商学部教授。1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。経済分析、経済予測などに従事し、2005年に退職して久留米大学へ。『なんだ、そうだったのか! 経済入門』など著書多数。
久留米大学商学部教授。1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。経済分析、経済予測などに従事し、2005年に退職して久留米大学へ。『なんだ、そうだったのか! 経済入門』など著書多数。
(監修=塚崎公義(久留米大学教授) 作画=室木おすし [第11回テーマ=赤字国債])