2016年の貸家の新築は前年比10.5%(41万8543戸)で5年連続の増加だ。
相続税を節税したい新米大家が貸家を建てているからな。
しかも、いまならマイナス金利政策のあおりで銀行から資金を借りやすい。
なぜなら、バブルの最中は、みんながハッピーな状態だからだ。
例えばいまは、建設会社と銀行は儲かってるし、
大家も低金利でローンを借りられて、相続税も安くなる。
借り手も新しいアパートに入居できる。
すでに供給過剰なのだから
大家が大損するのは目に見えているのに
現実を見ることができないのじゃ。
貸出は、係員→係長→課長→副支店長→支店長という流れの中で
相談して決めているから、貸出が焦げついても
実際は誰が悪かったのか、よくわからない。
1980年代のバブルも、銀行が金を貸しまくったのが一番の原因だ。
バブルかどうかは、その最中には誰にもわからないから怖い!
バブルが崩壊して、じいさんの会社の業績が下がるとオレの売上にも大きく響く。
でも、大家はもっと悲惨だな。
オレの顧客が貸家を建てようとしていたら、考え直すように教えてあげようかな。
監修 塚崎公義
久留米大学商学部教授。1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。経済分析、経済予測などに従事し、2005年に退職して久留米大学へ。『なんだ、そうだったのか! 経済入門』など著書多数。
久留米大学商学部教授。1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。経済分析、経済予測などに従事し、2005年に退職して久留米大学へ。『なんだ、そうだったのか! 経済入門』など著書多数。
(監修=塚崎公義(久留米大学教授) 作画=室木おすし [第12回テーマ=バブル])