ブームは続くものの売れ筋本には変化あり

2010年の『超訳 ニーチェの言葉』刊行以来、言葉や話し方をテーマにした本のブームは息長く続いている。出版コンサルタントとして長年ビジネス書を研究してきた立場から見ると、売れ筋本には、世の中の流れや思潮が反映されている。

最大のポイントは、SNSに象徴されるコミュニケーションスタイルの変化にある。少し前ならコミュニケーションをテーマにしたビジネス書のほとんどは、それを「目的を達成するための手段」として扱っていた。だが今は、そこにいるみんなが楽しみ満足できるような「いいコミュニケーションを培うことそのものが目的」となっている。

自由なコラボレーションから新しいビジネスが立ち上がるこの時代にあって、一流のビジネスパーソンほど、打算や下心が見える言葉や話し方を嫌う。利害抜きで面白い、一緒に何かやってみたい信頼できる人物と、あなた自身が見なされることはきわめて重要だ。そこで問われるのは、利害のからまない雑談の上手さや、高い所からではなく共感を通じて志を伝える能力である。