こんな部活動なら子供も教員もハッピー

教員は24時間、教員をすることはできません。

部活動の「土日祝日休みなし」の常態化をどう変えていけばいいのか。生徒は疲労困憊し、教員も“勤務時間外”にもかかわらず、顧問として実質強制的労働させられている現状は、異常な状態です。ルール違反だとも言えます。

非常時とか一部例外地域への特例ならまだしも、全国各地の大部分の学校の教員が何十年もごく僅かな手当による常時超過勤務状態でいいはずがない、と私は考えています。

もちろん、部活動自体は決して悪ではありません。

土日に部活に行く子供にも親にも、もちろん顧問にも何の罪もないのです。部活は本来、子供の成長にとって大変有益な存在です。また、部活動こそに生き甲斐を感じて、情熱を注ぐ教員も多くいます。そこを否定する気は毛頭ありません。

本来ならば、やりたい人がやりたいだけやれるシステムであれば何の問題もないのです。

野放図状態の現状の部活動システムをどうすればいいのか?

実例を挙げます。

私が知っているある地域には、陸上をやりたい子供と教員がいて、地域の人が参加できる「陸上クラブ」があります。土日の活動が中心で、教員は顧問としても選手としても参加できます。

通常、顧問となれば自己都合で自由には休めませんが、地域のクラブ会員であればそれも可能です。逆に、徹底的に通って、燃えに燃えて毎週子供を指導することもできます。

そのクラブには自分以外にも陸上指導のスペシャリストが常駐していているので、顧問は自分を含め複数いることになる。当然、指導に関してもばっちり。各種大会に出場して、ハイレベルな中で切磋琢磨できる。実際、そういう環境の実例は、ここのところスポーツに限らず全国に増えてきています。

社会教育への移行という見方もできますが、部活動自体は別として存在してもいいのです。この例だと、子供は中学校内では陸上部に所属し、平日の練習をしています。ただその力を発揮する場が、外にもあっていいという例です。

また別の例として、土日祝日の部活動自体を制限している市町村や学校も、全国的にかなりの数が出てきています。これには各首長や校長が周囲の反対を押し切って断行する必要があります。実施以降もしばらくの間、反発されることは必至ですが、これも一案でしょう。

そうした思い切った改革を断行した自治体の行く末を今後も見守っていきたいところです。

結論として私が声を大にしたいのは、部活動は教員にとって、仕事の一部となっている以上、「時間の契約」というルールは守った方がいいということ。部活動のあり方は、日本社会のあり方にも関係する重要な問題をはらんでいると考えます。

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