顧問にだけあいさつする部員がいたら、ヤバい

(2)先輩・後輩の人間関係について

部活内で実力至上主義がまかり通っている場合、人間関係が「ぎすぎす」していることが多いので、子供が見学した際に先輩たちの様子をよく観察するようにアドバイスするといいでしょう。

中学生以上ならマナーとしての上下関係の礼儀は必要でしょうが、「上手い人間が偉い。下手な奴はいらない」という間違った価値観があれば、関係性は歪みます。とりわけ運動系の部活では、上手い選手や有名な監督などの権威には妙にへりくだる一方、後輩への当たりが異様に強い、というケースは少なくありません。また上手であれば、先輩後輩の上下すらも逆転することがあり、これはこれで問題です。

つまり、当たり前の人間関係が通らない状態の部活動は回避すべきです。

部員内で、レギュラーメンバーとそれ以外のメンバーとの人間的差別も強くあります。

外からは見えませんが、陰湿ないじめもあります。そうした空気の部活動の部員は、顧問以外の大人に対して、全体的に横柄です。

顧問、または顧問の前で「だけ」やたら声の大きいあいさつをします。レギュラーメンバー選抜の権力を持っているので、ここは彼らにとって死活問題です。

顧問のいないところで、さりげなく「近所のおばさん」みたいな感じで部員にあいさつをしてみると、感覚的にわかるかもしれません。

これらの悪条件を満たせば、人間関係についてはかなりよろしくないと判断していいでしょう。

逆に顧問と生徒、先輩後輩の関係が良好であれば、部活としてはほぼ間違いないです。

今の時代、保護者ネットワークで簡単にわかることと思います。ただし、部活動内で立場の低い(競技力が低い)子供とその親は、不満があっても周りに言えないことも多いので、その点は注意が必要です。

(3)部活動以外の活動状況について

学習面や生活面がなおざりになっている場合も危ないです。

生徒に「部活さえきちんとやっていればいい」と豪語する顧問も実際に存在します。

良い顧問ならば、部活動も学習面も生活面も同様に重視し、家庭での過ごし方や社会への奉仕活動についても指導しています。

大会に参加した後に会場のごみ拾いやトイレ掃除をして帰る「本物の強豪校」もあります。こういった学校は、部員の普段のマナー面が際立っていいのが特徴です。競技を楽しむ「競争心」と共に「共創心」も育んでいます。

マイナーなスポーツや文化活動であっても、本当にいい部活動をしているところも多くあるので、単純な人気などにとらわれずに選ぶことが重要です。

以上、3ポイントを列挙しましたが、正直に申し上げると、最後はいい部活動か否かは「顧問次第」というところです。人間的に豊かな、良い顧問の先生のもとで部活動ができたら、子供にとっては最高の教育の場になり得ます。

そして、すでに部活動で子供を見てもらっている親の方には、目の前の顧問の頑張りを肯定的に見て、応援していただきだいというのが本音です。