朝食バランスで夜まで脳を活性化

脳を活性化するためには、良質な脂肪を摂ることも欠かせません。最も効果が高いものは、青魚やマグロなどの魚油に多く含まれるDHAやEPAです。DHAは、脳にダメージを与える有害物質を防ぐ「血液脳関門」というフィルターを通過して脳内に入ることができる、唯一の脂肪酸です。血液から脳に移行し、細胞膜に作用して脳細胞を柔軟にします。DHAは脳の記憶装置である「海馬」に特に多く含まれ、これを増やすことは記憶力や学習力を増すのに非常に効果があります。

イラストレーション=中川原 透

DHAは低温でも固まらない不飽和脂肪酸であり、サラサラしているのが特徴です。常温で固まってしまう動物の脂は、動脈硬化を促進する作用もあるので、体によくありません。肉は脂身のないものを食べ、脂は魚から摂るのが基本です。

では、おさらいです。脳のシナプスを繋いで脳を活性状態にするために必要なのは、タンパク質とビタミンとDHA。脳は一度活性化すれば1日状態を維持できますので、これらは1日に1回摂取すれば大丈夫です。そして脳のエネルギーとして必要なのが、炭水化物です。

私のお勧めは、朝食でそのすべてをバランスよく摂取し、毎朝、脳を活性状態にすることです。朝食を摂らないと脳のパフォーマンスが落ちることがわかっています。毎朝、バランスよく摂るのが難しい人は、サプリメントで補ってもよいでしょう。

昼食はご飯一膳分の炭水化物を摂るぐらいで十分。夕食は体重の増減に気を付けて、好きなものを食べたらよいでしょう。ただし「ご飯代わりにビールだけ」はダメですよ。

阿部博幸
アベ・腫瘍内科・クリニック 理事長。医学博士。トーマス・ジェファーソン大学客員教授。1964年、札幌医科大学卒。88年、医療法人社団博心厚生会を設立。九段クリニック名誉院長、九段クリニック水戸理事長。
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(嶺 竜一=構成 中川原 透=イラストレーション 教えてくれる人:アベ・腫瘍内科・クリニック 理事長 阿部博幸)