英会話を始めるタイミングとは

英語を話す力、聞き取る力をつけようと思ったとき、英会話スクールに通う人も多い。スクールには大きく分けて「通学型」と「オンライン型」の2つがある。それらを比べた場合、通学型のほうが授業料が高く、教師の質に定評がある。ただ、ここでいう「質」とはネーティブ講師の有無ではない。

「ネーティブの講師が必要になるのは英会話の中でも最終段階。外国人との会話に慣れるための『練習』として必要なのです。ビジネス英会話を覚えるなら、まずは単語や文法を覚え、頭の中で英作文をする、さらにその英文が瞬時に口をついて出てくるまで話す練習をすること。これはむしろ日本人講師のほうが向いている場合も多い」(TOEIC対策の指導教室「すみれ塾」主宰 中村澄子氏)

一方で、手ごろな価格のオンライン型では「人気講師の予約が取りづらい」というデメリットを挙げる人が複数いた。中村氏は、「TOEICを卒業してから英会話ですよ」と念押ししたうえで次のようにアドバイスする。

「海外旅行レベルでない、ビジネスで使える英会話の力を養うには、最低2年はかかります。TOEICで基礎力がついていても、業界用語やフォーマルな表現を改めて覚えなくてはいけないし、特に時間がかかるのがスピーキング。話せるだけではダメで、相手の発言に瞬時に反応できる瞬間発話力も身につけなければなりません」

実際にビジネスで使うなら、瞬間発話のほか、プレゼンやネゴシエートの力も必要になる。TOEICのスコアを獲得して安全圏に入ってから、時間をかけて取り組んだほうがよさそうだ。

試験の改編、ボーダーラインの上昇など、英語初心者にとっては頭の痛い状況だ。しかし、TOEICのスコアが上がってすぐに昇進が決まったり、希望の異動がかなうケースも多いという。前向きに取り組んで、チャンスをつかむきっかけにしてもらいたい。