中小企業の課題は、女性育成の研修を増やすこと
【3:労働人口減少に備えて計画的な女性の育成を】
先ほど、中小企業においては、女性の活躍は非常に進んでいるという話を述べました。
そのような企業では、能力やモチベーションの高い女性がいれば、自然体で女性を登用しているということでしょう。しかしながら、筆者の現場の経験からは、そうした中小企業が組織として計画的に女性社員育成に取り組む例は少ないという印象を持っています。
厚生労働省「平成26年度雇用均等基本調査」によれば、女性の活躍を推進する上で「研修の付与」が必要だと考えている企業は、
●女性の活躍を推進する上で「研修の付与」が必要だと考えている企業の割合
5000人以上規模:64.4%
1000~4999人規模:53.9%
300~999人規模:44.2%
100~299人規模:39.1%
30~99人規模:36.8%
10~29人規模:28.8%
となっています。規模が小さくなるに従って、女性の活躍に関する研修の必要性に対する認識が薄い状況が窺えます。
今後は、少子高齢化に伴い、労働人口が減少していきます。人手不足になることが想定されるなかで、既に雇用している女性を育成するということに今まで以上に真剣に取組むことが求められます。
女性が結婚や出産などのライフイベントを理由に、仕事キャリアが途切れることなく能力開発を続けられるように、女性や管理職に対する教育支援を強化していくことも必要だと考えます。もし、初めて取組む企業であれば、きっかけづくりとして、自治体などが実施しているセミナーを活用されるのも一案ではないでしょうか。