借り換えた後、繰り上げ返済するかどうかだが、これについては焦る必要はまったくない。

「少しでも早く繰り上げ返済したほうが得」であることは間違いないが、手元の貯金が少なくなるのは危険だ。繰り上げ返済で総返済額を減らすことよりも、手元にお金を残しておいて家計が破綻しないようにすることのほうが重要。会社経営と同じように損得以上に“資金繰り”の視点から判断すべきだ。失業や病気など、いざというときのために貯金は「生活費の2年分」を目安に用意しておきたい。住宅購入時の頭金で貯金が少なくなったという人は、生活費の2年分に貯金が回復するまでは繰り上げ返済を控えよう。

住宅購入のタイミングは子供が小さく、妻の収入が減る産休・育休・時短勤務中のことが多いため、家計の収支が悪化しやすいことにも注意したい。そうした期間中は繰り上げ返済を先送りして手元にお金を置いておいたほうが安心だ。

将来繰り上げ返済をするにしても、まとまったお金が必要になる子供の大学入学など各家庭のライフプランを踏まえて返済時期を決めることが大切だ。

中嶋よしふみ(なかじま・よしふみ)

ファイナンシャルプランナー。1979年生まれ。2011年、FPの店舗シェアーズカフェを開業。マネーレッスンや相談などを提供。著書に『住宅ローンのしあわせな借り方、返し方』がある。
 
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(河合起季=構成 榊 智朗=撮影)