エレベーターホールで何を話すか

<strong>プレゼン格差<6></strong>エレベーターに役員と同乗したとき積極的に話しかける人の割合は

プレゼン格差エレベーターに役員と同乗したとき積極的に話しかける人の割合は

社長、役員とエレベーターで一緒になったときの振る舞いの違いを見てみよう。2000万円稼ぐ人では「相手に質問」や「自分の近況について話す」という積極派が39.0%に上る。対して、500万円台の人で積極派は22.3%のみだ(プレゼン格差6)。2000万円を稼ぐ人は、ビジネスのうえで役に立つ話を常に意識し、相手とキャッチボールをしようとしている意気込みが見てとれる。

このときに何を話すかは、大きなポイントになってこよう。私がマブチモーターの社長付だったとき、役員六人が若手社員を一人交えて昼食をとる「役員ランチ」を定期的に開催していた。「同じような業務が別部門で行われており非効率です。なぜ一つにまとめないのでしょうか」と、経営者さながらの目線で鋭い質問で切り込んでくる社員には「彼は見どころがある」と役員たちからは高い評価が下された。逆に「最近残業が多くて大変なんです」と一般社員目線で話し出す者に対しては、役員たちは「そうか、大変だね」と話を合わせるものの、「まだ対等には話せないな」と感じている様子だった。

<strong>プレゼン格差<7></strong>社内の飲み会には「必ず参加」vs「用事がなければ」
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ちょっとした一言で印象は大きく変わる。いつ不意に社長や役員と話す機会があっても大丈夫なように、日頃から高い問題意識を持っておくことが大切だ。

社外に対しても同じである。私はトヨタ自動車のコンペの後、エレベーターホールで一言だけ伝えた。「実は昔、技術管理部の○○さんとお仕事をしていたことがあるんですよ」。本論ではないのでコンペの場で話す必要はないが、自分を印象づけるには十分な話題である。

<strong>プレゼン格差<8></strong>社内の関係構築のために「イベントを企画」vs「相手の仕事を手伝う」
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話す内容に困り、「今日は暑いですね」と世間話をしても、その時間は自分の仕事には何ら役立たない。一瞬のチャンスを活かそうと日頃から心がけておこう。

(大熊文子=構成 取材協力=レイス)