スポーツやレジャーには最適な季節になった。書店に足を運ぶと、キャンプやサイクリング、釣りなどの雑誌が所狭しと並んでいる。ここ数年、アウトドア用品の市場は着実に伸びており、民間調査会社の矢野経済研究所の調べでも、2009年の国内出荷額は前年比103.4%の約1360億円に増加。10年も続伸し、同102.8%の1398億円あまりになると予想されている。
キャンプ用品の製造・販売を手がけるコールマンジャパンのリチャード・ギルフォイル社長は、その背景を「アウトドア分野は不況にも強い。近場でキャンプをする場合、それほど時間と費用はかからない。テントなどある程度の道具を揃えたら、後はもう燃料や食料品を買い込んで、車で出かけるだけでいい」と説明する。
加えて、最近のレジャーの傾向として、家族で有意義な時間を持ったり、友人と楽しく過ごすことが重視されてきているという。同氏も「特に子供とキャンプに行くと、家族の、そして親子の絆がものすごく強くなっていくのが実感できる。また、子供の物事に対する興味を深めていくことにも役立ち、友達もつくりやすくなる」と話す。
とはいえ、まだまだ日本人のアウトドアライフは欧米に比べて画一的だ。
「海外では本格的な人からサンドウィッチだけの人もいたりと多種多様ですが、日本では必ず豚汁とBBQですよね(笑)」(同氏)。健康・経済性・癒やしなどをキーワードにして、幅広い屋外活動への新規参加が増えれば、市場はさらに好調に推移するだろう。
(ライヴ・アート=図版作成)