リサイクルショップに活気がある。経済産業省の「商業統計」によると、中古車や本などを除いた家庭用消費財の2007年における市場規模は3452億円。直前の5年間は、年率10%を超える勢いで伸びており、このところの拡大ぶりからすれば、現時点では5000億円に達していると考えてさしつかえないだろう。
その理由を、業績が好調なトレジャー・ファクトリー(以下トレファク)の小林英治管理部長は「長引く不況で消費者の中古品に対するニーズが大きくなり、店側がそれに応えられる品揃えができるようになったこと。加えて、エコブームのなかで“捨てない”というライフスタイルが、30代のファミリー層を中心に定着してきたことが挙げられると思う」と分析する。
大小取り混ぜて事業所数が数千ともいわれる業界だが、かつては買い取り・値付けのシステムがわかりにくかった。そこでトレファクが最重視したのが利用者の満足度。買い取りの際は一品一品査定し、金額の透明性を確保するだけでなく、売る人の納得がいく説明を心がけている。こうして仕入れた商品は、清潔感のある店内で適正価格で売るのだという。
昨年4月には、同社を含む上場企業8社が参加して日本リユース業協会も発足している。業界の社会的認知度を高め、健全な発展を促していくことが主たる目的だ。リサイクルショップの利用者と非利用者は、およそ半々といわれる。つまり、潜在力はまだまだあり、こうした取り組みが市場の拡大にもつながるはずだ。
(ライヴ・アート=図版作成)